コタローです。
8月5日に、東京商工リサーチが7月の倒産の集計を出していました。
「人手不足」が原因の倒産が63件で、7月としては過去最多だそうです。
中身を見ると、いちばん多い理由が「人件費の高騰」で36件。
去年の同じ月の2.1倍だと書いてありました。
次に多いのが「従業員の退職」で19件。
しかも潰れた会社の6割が資本金1千万円未満の小さい会社で、95%が破産という形で終わっています。
これ、経営者のニュースに見えますよね
正直、僕も見出しだけ見たときはそう思いました。
でも記事を読みながら頭に浮かんだのは、社長の顔じゃなかったんですよね。
そこで働いていた人たちの顔でした。
63件のうしろには、その月まで普通に出勤していた人が何百人といるわけです。
そのうちの何人かは、たぶん借金を抱えています。
住宅ローンだったり、カードの残高だったり、カードローンだったり。
そして毎月の返済を、給料日が来ることを前提にして組んでいます。
会社が破産するというのは、その前提が、ある日いきなり消えるということです。
僕の場合、仕事は普通にあったんです
僕は建築系の個人事業主でした。
下請けが中心で、現場はちゃんと動いていました。
暇でヒマでしょうがない、なんてことは一度もなかったです。
それでも、お金だけが足りませんでした。
単価は上がらないのに、材料も人も高くなっていく。
足りない分を銀行の融資で埋めて、その返済でまた足りなくなって、最後はカードのキャッシングやリボにまで手が伸びました。
気がついたら12社、約4000万円です。
遊んで作った借金じゃありません。
全部、その月の支払いを守るために借りたお金でした。
だから僕は、今回のニュースを読んで思ったんです。
会社が潰れるのは、仕事がないからじゃない。お金が回らなくなったからです。
逆に言うと、いま働いている会社が忙しそうに見えても、それは安心の材料にはならないということです。
現場がまわっているのと、お金がまわっているのは、まったく別の話なので。
収入は止まる。でも返済は止まらない
借金を抱えている人にとって、いちばんキツいのはここだと思います。
収入は、あっけなく止まります。
勤め先が倒れたり、体を壊したり、理由はいくらでもあります。
なのに返済日だけは、何があっても同じ日に来るんですよね。
僕の月の返済は、いちばん多いときで100万円を超えていました。
入金が1ヶ月ずれただけで、もう真っ青です。
保険を解約して、貯金を崩して、しまいには子ども手当まで返済に突っ込みました。
それでも足りませんでした。
あのころの僕は、返済というものは絶対に止められないものだと思い込んでいたんです。
止めたら人生が終わる、くらいに思っていました。
結果から言うと、それは思い込みでした。
2018年の春に僕は返済を全部止めて、そこから8年、1円も返していません。
自己破産もしていません。
そして今日も、家族とごはんを食べています。
止まったのは返済のほうで、僕の生活のほうじゃなかった。
あの日の僕に一つだけ言えるとしたら、そこだと思います。
同じところにいる人へ
倒産が過去最多、みたいなニュースを見ると、落ち着かなくなりますよね。
うちの会社は大丈夫かな、と。
その不安は、たぶん当たっていることもあります。
ただ、勤め先がなくなることと、あなたの人生が終わることは、別の話です。
僕は個人事業をたたんで、いい歳でサラリーマンとして雇ってもらうところからやり直しました。
正社員じゃありません。契約社員です。
収入は事業をやっていたころより、うんと減りました。
それでも、返済に追われていたときより、ずっと呼吸がラクだったのを覚えています。
収入が減ることそのものより、返済が収入を追い越していることのほうが、人を追い詰めるんだと思います。
だから、もし勤め先が危なそうだと感じているなら、転職先を探すのと同じくらい、自分の返済がいくらあるのかを見ておいてほしいです。
見て青ざめても大丈夫です。
それは今日から悪くなった数字じゃなくて、前からそこにあった数字が見えただけなので。
無いものは、返せないのです。
そして返せないことは、契約違反ではあっても犯罪ではありません。
ニュースの数字に、自分を数えないでください。
質問や相談があれば、お問い合わせフォームからどうぞ。
それでは、また。
コタロー
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