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借金の取り立てはNYで7日に3回まで。あの音にルールがあると知りませんでした。

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コタローです。

アメリカのニューヨーク市で、9月1日から借金の取り立てに新しいルールが始まる、というニュースを見ました。

取り立て業者からの連絡は、7日間に3回まで。

身に覚えのない請求には途中でも異議を申し立てられて、業者は60日以内に「これはあなたの借金です」という書類を出さないといけない。

医療費の取り立てのときは、減免制度があることを本人に知らせる義務もつくそうです。

現地の当局が言うには、取り立ての電話やメッセージがしつこすぎる、という苦情が増えていたからだとか。

海外の話です。日本の僕らには直接関係ありません。

それでも僕は、この記事を読んで、しばらく画面から目が離せませんでした。

あの着信音は、いまでも体が覚えています

僕は建築の個人事業をやっていて、事業資金の借入が返せなくなりました。

12社、約4000万円です。

返済が止まってから最初の数か月、携帯はよく鳴りました。

朝いちばんに1件。

昼過ぎにもう1件。

夕方に、別の会社から。

出ないでいると、しばらくして、また同じ番号。

正直に言うと、電話の内容そのものは、そこまでひどくなかったんです。

相手は淡々と、いつ払えますか、と聞いてくるだけでした。

きつかったのは、鳴っている時間のほうです。

画面に見覚えのある番号が出て、切れるまでの、あの十数秒。

あれを1日に何度もやると、電話が鳴っていない時間まで、電話のことを考えるようになります。

僕はマナーモードにして、机の引き出しに入れておくようになりました。

引き出しの中で、ブーッと震えるんですよ。

それが聞こえるんです。

日本にも、ちゃんとルールはありました

当時の僕が何をいちばん怖がっていたかというと、「この人たちは、どこまでやってくるんだろう」という部分でした。

夜中に来るのか。

家に来るのか。

元請けさんのところに電話が行くのか。

上限がわからないから、想像だけが勝手に伸びていくんです。

あとになって知ったんですが、日本にも取り立てのルールはちゃんとありました。

貸金業法という法律で、正当な理由もなく午後9時から午前8時までに電話をかけることは禁止されていると言われています。

勤務先へ押しかけたり、近所に借金のことを言いふらしたりするのもダメだそうです。

電話の回数についても、業界の自主ルールで、1日に4回以上かけるのは「威迫」にあたるおそれがある、という考え方があると聞きました。

つまり、ニューヨークが今年つくったようなブレーキは、形は違えど日本にもあったわけです。

僕はそれを、返済を止めてから何年も、まったく知らずにいました。

正直言って、情弱でした。

知っても電話は止まりません。でも

ここは正直に書いておきます。

ルールを知ったからといって、電話が鳴らなくなるわけではありません。

借りたものが消えるわけでもないです。

僕の携帯は、その後もふつうに鳴り続けました。

じゃあ何が変わったのか。

怖さの「底」が見えたんですよ。

この人たちは無限に何でもできるわけじゃなくて、越えたらいけない線がある。

僕は無法地帯に一人で立っているんじゃなくて、いちおうルールのある場所にいるらしい。

それがわかっただけで、引き出しの震えを、少しだけ平気で聞けるようになりました。

滞納している側の僕がこんなことを言うのは筋違いかもしれません。

返していないのは事実ですし、そこは言い訳しません。

ただ、返せないことと、人としてどこまでも追い立てられていいことは、別なんです。

そこがごっちゃになると、人は本当に危ないところまで行きます。

僕も一度、保険金のことが頭をよぎった夜がありました。

あのとき僕を止めたのは、返済計画ではありませんでした。

「まだ終わってはいないらしい」という、それくらいの感触だったと思います。

怖いのは電話ではなく、電話のあとの想像でした

いま同じように携帯が鳴っている方へ。

出る出ないは、それぞれの事情があると思います。僕がどうしろと言う話ではありません。

ただひとつだけ。

あなたを苦しめているのは、たぶん着信そのものじゃないです。

この先どこまで行くのかわからない、という想像のほうです。

僕の8年でわかったのは、想像はいつも現実より派手だということでした。

実際に起きたことは、もっと地味で、もっと事務的でした。

僕はいま、滞納8年目です。

約4000万円を、8年間1円も返していません。

自己破産も任意整理もしていません。

家が競売にかけられると決まったときは、引き出しの震えよりずっとこたえましたが、それでも家族はそろっていて、いまもふつうに暮らしています。

時効の援用というものにも、取りかかっています。

時効の期間は最短で5年ですが、たとえ5年たっても、それだけで自動的に片づくわけではないそうです。

援用しない限り、時効は効いてこないんだとか。

電話のルールと同じで、知って自分から動いたぶんだけ、怖さの底が見えてくる気がしています。

ニューヨークの話は、ニュースとしては小さいものかもしれません。

でも僕は、あそこにも引き出しの震えを聞いている人がいて、その人のためにルールが1本増えた、という話として読みました。

どうか、想像だけで自分を追い込まないでください。

質問や相談があれば、お問い合わせフォームからどうぞ。

それでは、また。

コタロー

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この記事を書いた人

4000万円の借金を滞納しつつ生きてる中年リーマンです。任意整理や自己破産してません。住宅ローン払えなくなり家が差し押さえられましたが、今も変わらず住んでます。車も乗ってる、クレカも持ってる、生命保険もかけてる、会社で働いて給料ももらってる。他の人とは違う方法で借金解決を目指してます。

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