コタローです。
この8月1日から、高額療養費制度が変わりました。
医療費がかさんだときに、1ヶ月の自己負担はここまでですよ、と上限を決めてくれている制度です。
その上限が、引き上げられました。
年収がおよそ370万円までの区分で、月に3,900円ほど。
住民税がかからない世帯でも、1,500円ほど上がるそうです。
同時に、1年単位の上限も新しくできました。
毎月は上限に届かないけれど、治療が1年続くと重い、という人にはそっちが効く仕組みだそうです。
数字だけ見れば、3,900円か、という話かもしれません。
でも僕は、この3,900円を軽く見られない人間です。
僕は、返済のために保険を解約しました
借金が12社・4000万円まで膨らんで、毎月の返済が100万円を超えていた頃の話です。
年商は2000万円ほどでした。
どう計算しても足りません。
だから僕は、返済に回せるものを片っ端からかき集めていました。
生活費を削って、貯金を崩して、給付金も、子ども手当も、返済に入れました。
そして、保険を解約しました。
生命保険も、医療保険もです。
解約すればいくらか戻ってくるので、それをその月の支払いに充てました。
解約の書類にハンコを押すとき、一度だけ手が止まったのを覚えています。
これで、家族の誰かが倒れたらどうするんだ、と。
でも、その月の引き落としのほうが先でした。
いつか誰かが病気になるかもしれない、という話より、今週末に落ちる100万円のほうが、はるかに現実だったんです。
返済に追われたことのある人なら、この感覚は分かってもらえると思います。
未来の不安より、目の前の督促。
備えから順番に、手放していくんですよね。
借金は待たせてしまえるけど、体は待ってくれない
あれから8年が経ちました。
僕は2018年の春に返済を止めて、それ以来1円も返していません。
自己破産も、任意整理もしていません。
その8年で、はっきり分かったことがあります。
あのとき僕が守ろうとした順番は、逆でした。
必死で払い続けようとした毎月の返済は、結局のところ、止めても僕は死ななかったんです。
督促は来ましたし、裁判所からも通知が届きました。
正直、しんどい時期はありました。
それでも、家族は無事です。
無いものは返せないのだと腹をくくってからのほうが、むしろ生きていられた気がします。
一方で、あの時期にもし家族の誰かが大きな病気をしていたら、と考えることがあります。
保険は解約済み。
貯金はゼロ。
毎月100万円は返済に消えている。
あれは、取り返しがつかなかったと思います。
借金は、返せないときは返せません。
相手も、無い袖は振らせられない。
でも体のほうは、こっちの資金繰りなんか一切考慮してくれないんですよね。
がんも、脳梗塞も、返済が終わるまで待っていてはくれません。
それでも、天井はちゃんとある
不安を煽って終わりにしたくないので、落ち着ける事実も書いておきます。
上限が上がるといっても、高額療養費制度そのものはなくなりません。
保険証を使って治療を受けるかぎり、月にいくらまで、という天井はきちんとあります。
入院や手術で100万円かかっても、200万円かかっても、自己負担が青天井になることはない。
これは、お金のない人間にとっては相当ありがたい話です。
しかも今回、治療が長引く人向けに、過去12ヶ月で何度も上限に達した場合の軽減額は据え置きだそうです。
そこに加えて、年間の上限まで新しくできました。
つまり、短く済む人の負担は少し増えるけれど、長く戦う人のほうは守ろうとしている改正、ということみたいです。
上がるのは事実。
でも、丸裸にされるわけじゃない。
そこは間違えないでほしいと思います。
削る順番だけは、間違えないでください
何を削るかは、人それぞれの事情があります。
僕も、他人の家計に口を出せる立場じゃありません。
ただ、8年滞納してきた人間の実感として、ひとつだけ言わせてください。
いちばん最後まで残しておくべきだったのは、体に関わるところでした。
支払いが1回遅れても、人は死にません。
督促の電話も、いつかは鳴りやみます。
でも、手遅れになった体は戻ってきません。
3,900円というニュースを見て、僕は8年前のあのハンコを思い出しました。
もし、いま同じ判断を迫られている人がいたら。
削るのは、そこからじゃなくていいと思います。
借金なんかに、体まで持っていかれないでください。
質問や相談があれば、お問い合わせフォームからどうぞ。
それでは、また。
コタロー
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