コタローです。
東京商工リサーチが、こんなデータを出していました。
2025年に個人が自己破産を申し立てた件数は、速報値で8万3,100件。
3年連続の増加で、8万件台に乗ったのは2012年以来、13年ぶりだそうです。
理由として挙げられていたのは、住宅価格の高騰、実質賃金の目減り、金利の上昇、それから後払いサービスの広がり。
要するに、普通に働いている人の家計が、じわじわ削られているという話です。
8万3,100件と聞いて、僕が思い出したこと
正直に言うと、この数字を見て最初に浮かんだのは「増えたなあ」ではありませんでした。
2018年のはじめ、弁護士事務所で言われた言葉です。
「もう自己破産しかないですね」
当時の僕は、12社から約4000万円を借りていました。
毎月の返済が100万円を超えていて、数ヶ月先に資金が尽きることが確定していた時期です。
事業のための融資から始まって、業績が落ちて、その穴を埋めるためにまた借りて、最後はカードローンや消費者金融にまで手を伸ばした結果でした。
遊んで作った借金ではありません。
支払いを守ろうとして、こうなりました。
で、その「自己破産しかない」の続きに、こう言われたんです。
「費用は100万円以上かかります。分割もできますよ」
僕は固まりました。
100万円。
その100万円がどこにもないから、相談に来ているのに。
破産って、お金がない人がするものだと思っていました。
違いました。
破産にも、お金がいるんです。
これ、意外と知られていないんじゃないでしょうか。
僕はそのとき、完全に、詰みました。
出口だと思っていた扉に、鍵がかかっていた。
あの日の帰り道のことは、いまでもよく覚えています。
「破産が増えた」を、当事者はどう読むか
だから僕は、破産が増えたというニュースを、単純に怖いニュースとしては読めません。
破産できた8万3,100人は、少なくとも出口にはたどり着けた人たちです。
その手前で、破産すらできずに止まっている人が、統計に出ない場所にどれだけいるんだろう。
そっちのほうが気になります。
僕がまさに、そこにいたので。
もうひとつ。
破産が増えたと聞くと、「安易に借りる人が増えた」みたいな話になりがちです。
でも、僕の実感はまるで逆なんですよね。
限界まで粘った人ほど、最後に折れます。
保険を解約して、貯金を崩して、給付金も子ども手当も返済に回して、それでも足りなくて、それでもまだ返そうとして。
そこまでやってから、ようやく破産という言葉にたどり着くんです。
8万3,100件というのは、そこまで頑張った人が8万3,100人いた、という数字でもあると思っています。
破産は、負けじゃないです
念のため書いておきますが、僕は「破産するな」と言いたいわけではまったくありません。
破産は、国がちゃんと用意している手続きです。
使える人は使ったほうがいい。
やり直しが早くなるなら、そのほうが絶対にいいと思います。
僕が破産していないのは、破産が嫌だったからではなくて、単純にできなかったからです。
そのあと、知り合いの社長の紹介であるコンサルタントに出会って、返済を止めるという別の道を知りました。
たまたまです。
自慢する話でもなんでもありません。
ただ、あのとき僕が知りたかったのは、たったひとつのことでした。
破産以外の道も、あるかもしれない。
それだけで、あの帰り道の気持ちはだいぶ違ったはずなんです。
返せないことは、犯罪ではありません
いま返済が苦しくて、この8万3,100件というニュースを見て「次は自分かも」と思っている人がいるかもしれません。
ひとつだけ、覚えておいてほしいことがあります。
借りたお金が返せないのは、契約違反ではあっても、犯罪ではありません。
刑務所に入るわけでも、人生が終わるわけでもないです。
僕は返済を止めて8年目になりますが、家族と暮らしていますし、普通に生活しています。
8年目のいま、ようやく時効の援用を始めたところです。
時効は、放っておいても自動で消えてはくれません。
最短でも5年かかりますし、援用して初めて効くと言われています。
だから今日明日どうこうという話ではないんですが、時間が味方になることも、あるにはあるんです。
数字は8万3,100件でも、中身は8万3,100通りです。
あなたの1件も、どこかの誰かの平均には収まりません。
どうか、自分の分だけを見てください。
質問や相談があれば、お問い合わせフォームからどうぞ。
それでは、また。
コタロー
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