コタローです。
先日の再開のごあいさつで、「これから、僕の8年間に起こったことを少しずつ書いていく」と宣言しました。
今日はその第1話、すべてのはじまりの話です。
借金4000万円と聞くと、派手な失敗を想像するかもしれません。
ギャンブル、豪遊、無謀な投資。
残念ながら、どれでもありません。
はじまりは、「借りなくてもよかった300万円」でした。
家業を継いだ、根拠のない自信
僕の実家は、父が営む小さな建築業でした。
下請け仕事がメインで、仕事の量も金額も、元請けのさじ加減ひとつ。
儲かる仕事は元請けが持っていき、手間のかかる仕事がうちに回ってくる。
それでも文句を言えば仕事が来なくなるので、我慢して受けるしかない。
そんな、どこにでもある町の零細企業です。
僕自身は大学を出て、地元ではそこそこ大きな会社に勤めていました。
給料も悪くなかったし、仕事も順調。
でも、「このままサラリーマンで終わっていいのか」という漠然とした迷いがあって、数年勤めた会社を辞め、家業を継ぐことにしたんです。
業績が厳しいのは、分かっていました。
それでも「自分が入れば何とかなる」と思っていた。
いま思えば、何の根拠もない自信でした。
異業種交流会で出会った、若きエリート銀行マン
家業に入ってからは、必死でした。
仕事を覚え、資格を取り、少しずつ直接受注できる体制を整えて。
そして次は、仕事を増やすための人脈づくりです。
名刺交換会、ビジネスセミナー、異業種交流会。
出会いがありそうな場所には、手当たり次第に顔を出しました。
そこで、出会ってしまったんです。
のちにメインバンクとなる銀行の、営業マンFさんに。
若くて、さわやかで、いかにも「デキる男」という雰囲気。
個人事業主だと伝えると、目の色を変えて食いついてきました。
そして、僕の事業の話をさんざん褒めたあと、こう言ったんです。

「これから事業を大きくされるなら、何かと資金が必要になります。取引先の入金が遅れることもありますから、もしもに備えて、資金には余裕を持たせておいたほうがいいですよ」
当時のうちは、お金を借りなくても回っていました。
余裕があったわけではないけれど、困ってもいなかった。
でも、この一言が妙に頭に残ったんです。

たしかに、現金はあったほうが安心だよな。それに、銀行と付き合っておけば、いざというとき有利かもしれないし……
いま読み返すと、教科書みたいな「借りない理由がない」への誘導です。
でも当時の僕には、お金の知識がまるでありませんでした。
黒字決算が4期続いていたこともあって、審査はあっさり通過。
保証協会付きで、300万円の融資が決まりました。
通帳に増えた300万円の、あの感覚
いまでも覚えています。
ちょっとした書類を書いただけで、通帳の残高が一気に300万円増えた、あの日のこと。
何の苦労もしていないのに、口座にお金がある。
まるで、貯金が増えたような感覚でした。
「お金って、こんなに簡単に借りられるんだ」
「こんなことなら、もっと早く借りておけばよかった」
本気でそう思いました。
使い道は、決めていませんでした。
返済計画も、立てていませんでした。
「何かあったときのため」——それだけ。
でも、考えてみてください。
目的のないお金が口座にあると、どうなるか。
少しずつ、生活と仕事の中に溶けていくんです。
そして、お金は消えても、返済と利息だけはきっちり残る。
このときの僕は、そんなことにも気づいていませんでした。
むしろ「借りる味」を覚えて、うっすら嬉しかったくらいです。
これが、借金4000万円への最初の一歩でした。
「借りられる」と「借りたくなる」は、セットでやってくる
この話の教訓は、シンプルです。
人は、「借りられる」と分かった瞬間に、借りたくなる。
必要かどうかは、あとから理由がついてくる。
銀行は、返せそうな人にしか貸しません。
だから、業績のいいときほど「借りませんか」と寄ってくるんです。
そして、業績のいいときに借りた目的のないお金は、静かに溶けていく。
……偉そうに書いていますが、全部、僕がやったことです。
次回は、借りる味を覚えた僕が、どうやって「借金で借金を返す生活」に転がり落ちていったのかを書きます。
どうぞ、反面教師にしてください。
今日の話はもうずいぶん昔のことですが、道具が「事業融資」でも「カードローン」でも、構造は同じだと思っています。
もしあなたが、いま「借りようかどうか」迷っているなら。
そのお金は、本当に必要ですか?
それだけ、考えてみてください。
質問や相談があれば、お問い合わせフォームからどうぞ。
それでは、また次回。
コタロー
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