コタローです。
気になるニュースがありました。
「あとで払えばいい」——そんな後払い決済(BNPL)をめぐるトラブルの相談が、この3年でおよそ3倍に増えているそうです。
国民生活センターに寄せられた相談は、2024年度で4万3千件あまり。とくに10代の未成年にまで広がっていて、「親が知らないうちに子どもが10万円以上の負債を抱えていた」というケースまで報じられていました。
この数字を見て、僕はちょっと胸がざわつきました。
他人ごとに思えなかったんです。
僕の4000万円も、始まりは「小さな後払い」でした
いまでこそ「借金4000万円を滞納して8年」なんて名乗っていますが、最初からそんな大金を背負っていたわけじゃありません。
もともとは、事業のための銀行融資でした。建築の仕事をしていて、保証協会付きやプロパーで、必要に迫られて借りていた。ここまでは、まだ健全だったと思います。
おかしくなったのは、そのあとです。
業績が思うように上がらなくて、返済の穴を埋めるために、今度はカードのキャッシングやリボ払い、消費者金融に手を出しました。
最初は、ほんの数万円だったんですよ。
「来月には入金があるから」「今月だけ回せば」——そう思って、カードで払う。リボにする。後払いにする。
一回やってみると、拍子抜けするくらい簡単でした。
審査もない。頭も下げなくていい。ボタン一つで、目の前の支払いがスッと消える。
でも、消えたわけじゃなかったんですよね。
先送りしただけ。しかも、利息と手数料という「おまけ」をつけて。
その小さな後払いが、雪だるまみたいに転がって、気づいたら12社・4000万円になっていました。
怖いのは金額じゃなくて、「感覚が麻痺すること」です
後払いのニュースを見て、僕がいちばん言いたいのはここです。
怖いのは、借りる金額の大きさじゃありません。
怖いのは、「借りている」という感覚がなくなることです。
現金で払うときって、財布からお金が減るのが見えるじゃないですか。だから「ちょっと使いすぎたな」ってブレーキがかかる。
でも後払いは、その痛みがないんです。
いま手元のお金は減らない。だから、いくら使っているのか、自分でもよく分からなくなる。
僕がまさにそうでした。
1社ずつは「まあ、これくらいなら」と思っていたのに、全部を紙に書き出したとき、初めて総額を見て固まりました。
「あれ、こんなにあったっけ」と。
後払いが3倍に増えているというのは、たぶん、この「痛みのなさ」に慣れてしまった人がそれだけ増えている、ということなんだと思います。便利だからこそ、麻痺する。仕組みそのものが、よくできているんですよね。
もう使ってしまった人へ。人生は終わりません
ここで「後払いは絶対使うな」なんて説教をするつもりはありません。
僕自身が、さんざん使ってきた側ですから。えらそうなことは言えません。
それに、後払いを使わないと今日をしのげない、という切実な事情がある人だっているはずです。値上げが続いて、給料は追いつかなくて。責められる話じゃないと、僕は思っています。
だから、もしすでに後払いが膨らんでしまっていても、どうか自分を責めすぎないでください。
僕が8年前、万策尽きて崖っぷちに立ったときに、いちばん効いたのはたった一つのことでした。
それは、「いくらあるのか、全部を紙に書き出してみる」こと。
何にいくら、どこからいくら。ぜんぶ並べて、総額を自分の目で見る。
怖い作業です。正直、手が止まります。
でも、見えない不安ほど人を追い詰めるものはないんですよ。金額が確定すると、不思議と「じゃあ、どうするか」を考えられるようになる。
そこからでいいんです。
4000万円を滞納した僕が、任意整理も自己破産もせずに、いまも普通に生活しています。返済を止めて8年、去年からは時効の援用を始めました。時効は自動では消えなくて、最短5年たって、こちらから援用して初めて効くもの。僕は、その手続きを始めたところです。
だから、後払いが数万円、数十万円あったって、そんなに悲観しないでください。
まずは、現在地を知ること。
そこから、ちゃんと道はあります。
コタロー
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